「お前は哨戒に行け」
「……不適切な発言だ」
「改めて惚れなおしたよ」
「お前が言うなら信じるよ」
「私にもう一度一一チャンスを」
「二度と言わないから、よく聞いて」
「……いいな。帰る場所があるヤツは」
「どこかで『勇気』を売ってないかな……」
「一一ありがとう。俺、頑張るよ。頑張るから」
「心配しなくていい……俺は、我慢強いから……」
「失敗してもいい、前向きに前向きに。好奇心旺盛に」
「こうして背中合わせで立てるのも一一コレで、最後」
「一一ひとりにはさせない。私も、君と一緒に生きる」
「俺の大事な、カケガエのねぇヤツら。生涯のザイサン」
「このクルマのキズのように、修復できるかな、私たち」
「君は強いね。コレは誇りに思っていいコトだと思うよ」
「たくさんの『友人』より、ひとりの『親友』がいればいい」
「朝の一分は、夜の一時間に相当する。五分でもムダにするな」
「ここは私にとって特別な場所一一お前への想いに、初めて気付いた場所だ」
「なに言ってやがる! 俺がお前を心配しなかったとでも思ってんのか!?」
「もし理性を欠き、君を襲いそうになったら、その時は僕を殺すと約束してくれ」
「君は私に一一道を教えてくれた。動けずにいる私の手をひいて、導いてくれた」
「人にやりたくねぇんだよ。ずっと持ってっから、自分のオンナみてぇな気分になるし」
「コレを……誰にも気付かれないところに、捨ててきてくれないか一一誰にも、見られないように」
「……読んでいないんじゃないのか? さっきから目線が動いていない。どうした、集中できないのか?」
「……会話をするのに、相手の目を見る必要などないだろう。意思の疎通ができれば、それで問題あるまい?」
「失敗なんて誰だってしてあたりまえのコト。いつまでもヘコんでないで、さっさと振り切って、前に進みましょう」
「全ての人に好かれるのは『不可能』です。顔見知りの『友人もどき』をたくさん作るより、たったひとりの『親友』を作りなさい」
「いまの君は与えるだけ。『ギブ・アンド・ギブ』じゃ、ダメなんだよ。『ギブ・アンド・テイク』の関係にならないと、いつか一一終わる」
「ばぁか。自分で気にいらねぇーもんを、誰が気にいるっつーんだよ。てめぇで作ったモンは自分にとって、他のなによりも輝いて見える『最上級』であって、あたりめーなんだよ。ケンソンしてるヒマがあったら、昨日の自分よりちったぁマシになるよう、努力でもしやがれ、この、タコ。焼いて食うぞ、コラ!」
「一一お前は、ホンモノだよ」
「続きは省略させて頂きます」
「彼はウソがつけない男なんだよ」
「ありがとう……黙っててくれて」
「選ばれた者しか入れない部屋だ」
「反省はする。でも一一後悔は、しない」
「そう決意して。僕はまた一つ、オトナになる」
「やめんなよ……ずっと一緒にやっていこうぜ」
「一一私は勉強ばかりしてる、つまらん男だ……」
「あやまちを正さない事。それこそが、あやまちだ」
「俺は平気だ! いいから止まるな! 早く行け!」
「一言でいい。声をかけさせて。君を笑顔にしたいから」
「ヤツにいま一番必要なクスリは、お前の心からの笑顔だ」
「私を知る者は、誰もいない……君もいずれ、私を忘れる」
「一一っきしょう……! 負けるワケにはいかねぇんだ……!」
「自分が『大人』になるというコト、誰かを『愛する』というコト」
「『守るモノ』があるヤツってぇのが、きっと一番強いんだろうな」
「お前が望む事だ、止められない……しかし、いつでも家に帰ってこい」
「仮に、全く同じ言葉であっても。君の口から出たのなら、それはトクベツ」
「いつまでも作られた笑顔で、誤魔化しきれるものではない。この言葉を、自分へ」
「不安な夜は電話してよ。何時でもいいから。雀がなくまで、下らない事でも話そう」
「その男なら来たよ……ハッキリとは覚えてないけど、どことなく一一気味が悪かった……」
「いいんだよ、君はそのままで。『嫌われたくない』なんて言って、自分を作る必要はない」
「君と同じ事を感じたい。君と同じ記憶を共有したい。君が愛した物を、私も同じように愛したい」
「君をハードルの前まで連れてくる事はできる。でも、それを私が飛んでも意味がない。分かるね?」
「どれだけ忙しくても。楽しくても、辛くても、悲しくても。君を忘れた事は、ただの一度だってない」
「まただ……最近みないから、安心していたのに。また夢に出た……昔の、友人が。もう勘弁してくれ……」
「ふたりで行っておいで。墓参り。大丈夫、彼は君が思ってるほど、子供じゃない。君とちがって、へたれでもない」
「君が千人の中の一人であると仮定する。九九九人が私の目を『黒』だと言えば、不思議と君も、私の赤い目が『黒』に思えてくる」
「裏と表が同時に住み、互いに干渉しない。 どちらも表であり、また、裏でもある。区別というものが存在せん。一一メビウス。君が迷いこんだ、この、街の名だ」
「頼む……いまは、何も聞かないでくれ……後でちゃんと話すから……」
「私はもうすぐいなくなるけど、彼にはああやって笑い続けていて欲しいね」
「アイツが……アイツがまだ帰ってこねぇんだ! 今までこんなコトなかったのに……!」
「子供のころ見た悪夢は、ただ亡霊のような物がうごめいているだけだった……だが最近は違う……学生時代、友人だったヤツがでてくるんだ……私を酷く憎んでいる……軽蔑した視線を向け、『二度と会いに来るな』と吐き捨てる一一私にとって一番恐ろしいのは、『友人』かもしれないな」
「かすかに感じる……扉の向こうで動く、空気を」
「いま彼の扉を開けられるのは、僕じゃないから……」
「『大切なモノは、なくしてから大切だった事に気付く』とは、よく言ったものだ……」
「私は過去、罪を犯した。人殺しだ。それを了解した上で、この手を取ると言うなら……勝手にしろ」
「答えはわかりきっているのに、それをわざわざ聞く事で、自分を追い詰める」
「傷をつけると、そこから暖かい血が流れ出す……こうする事によって、私は生きているんだと実感する」
「もう、君の声すらも思い出せない」
「君のその無邪気さは、時として残酷だね」
「お前のいない毎日に、慣れる日など……来ないのだろう」
「あれほど聞きたいと願っていた彼の声が、鋭利な刃物のように、私に突き刺さる」
「ごめん……生きていて」
「君が思っているほど、私は大人じゃない」
「いつか……さ、彼のホントの『笑顔』ってヤツ、見てみたいね」
「切れた……。とても細い、私たちの間で辛うじて繋がっていた物が一一ふっつりと……」
「悪戯しかけてバカやってただけの毎日が……いま思えば、いちばん幸せな時だったんだ」
「本当にイヤなら、力ずくでぶっ飛ばせばいいでしょう? 貴方と僕じゃ体格も腕力も全然違うんだ、できるはずです」
「お前、目が据わってンぜ。あんだ、図星つかれてキレたか? 殴りたきゃ殴れよ。ンの代わり聞かせろ。お前の本心」
「彼のした事は許せない。一一でも、心から憎みきる事もできない。少なくとも学生時代は……紛れもなく、親友だったのだから」
「昔ほどは痛みを感じない。だがそれは俺が強くなったからじゃない。ただ、人の痛みを無視して自分を押し付ける、冷徹で、卑怯な男になっただけだ」
「恐怖を見せつける為、彼女を殺したのか……? そうする事で私がお前を恐れ、いいなりになるだろうと? ……ならば、逆効果だという事を教えてやろう……」
「まだ何かに囚われている感じがするんだ。アズカバンじゃない。ではそれは何かと言えば……なんだろうな……私にもよくわからない。一一こんなの、おかしいよな」
「彼は、深い闇の奈落の底で絶望に震える私に、手を差し伸べてくれた……それなのに私は……そんな彼の肝心な時に……助け出す事はおろか……そばに……いる事すらも……できなくて一一」
「私は真剣に話しているのに、君はいつもそうやって誤魔化そうとする。心を開いてるように見せて、その実、肝心な事は口にしない。近づけば離れる、でも離れれば不満げな態度をとる。一体、私にどうして欲しいんだい?」
「これは私にとって、だけどね。ディメンターは単体なら、あまり危険な対象ではない。防衛手段を知っているから、と言う事もあるけど……彼らが糧とする『幸福』な気持ちを、私はあまり一一感じた事がないからね。受ける影響も少ない」
「一一昔の話だ……」
「条件を聞こう……」
「一一それは出来ない相談だ」
「それが……裏切り者の末路だ」
「……自殺でもするつもりか?」
「時間はどんな物にも勝る最高の薬だ」
「お互い様だろう……悔やんでも始まらん」
「私を通して……誰を見ているんですか?」
「私も随分、作り笑いがうまくなっただろう?」
「泣いても、いいんだよ? 誰も、いないからさ」
「一一怪我でもしたかい? 君から血の匂いがする」
「無意識の中、いつもあなたを目で追ってる自分に気付く」
「信用しろ、というのか? 過去、俺にあんな真似をした、お前を?」
「失って辛い事もあるけど、失ったからこそ得られた物もあるんだよね」
「希望なんてないよ。あまりに多くの物を、私は失い過ぎた。……絶望する事に馴れてしまったんだね」
「たとえ親友でも、誰かを信じるってのはすげぇ難しい。俺みてぇに、親友だと思ってたヤツに裏切られ、そのせいで大事なモンを失ったヤツには……なおさら辛いよ」
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