へたれ


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お題  

「鬼の霍乱……」

「うげ、やぶへびっ……!」

「『こう見えて』って、失敬な」

「なんだぁ、Y談か? 俺もまぜろ」

「ただいま、へたれ中。立ち入り禁止」

「俺のコカン……もとい、沽券に関わる」

「あれ……俺、あにしに来たんだっけか」

「あにタコ焼きみてぇなカオしてンだよ」

「おー、社長出勤か、コラ、寝ぼすけ、コラ」

「新作、幻の限定品。高級ブランド・へたれ」

「できないんじゃないのー。やらないだけなのー」

「……魚の小骨を取るバイトを、募集したい方向で」

「おーい、荷物忘れてンぞー。俺も持っていけ、俺もー」

「おい、お前。どうやら、俺は迷子になったようだ。助けろ」

「切ない……切なすぎる……ああ・・・切なさ乱れ撃ち……」

「対象年齢・五才のおもちゃでも、もらったら喜んでそうだよ」

「『へたれ』っていうヤツが一番『へたれ』なんだぞ、コラ!」

「『もふもふへたれランキング』一位の座は君の指定席だものね?」

「強敵と書いて『トモ』と読む。シリウスと書いて『へたれ』と読む」

「そうだなぁ……うーん・・・・・・・・・・・・一一無理。思考放棄」

「ふっ……このリーマスさえあれば、ジェームズなど恐るるに足らず……!」

「ああ、その人ならソコにいるよ。あのヨークシャテリアみたいな目してる人」

「行くな、やべぇやべぇやべぇやべぇ。鹿とオオカミが内戦勃発。今年最大の大戦争」

「行かねぇ。合コンなんざしなくても間に合ってるし。一一ハッタリじゃねぇ、コラ!」

「ねぇ、リーマス……少しは手加減してあげてよ。そのうちシリウス、ぶっ倒れるよ?」

「おやおや、目からハートマークが大量。……飼いたいんだね。はいはい、分かりました」

「お前のカオ、ペンギンそっくり。ただのペンギンじゃないぞ、皇帝ペンギンだ。嬉しいか」

「三時か……この時間に行っても、値引きされてねぇんだよなぁ……セコい? ほっとけ、コラ」

「うっあ……しびれたしびれた足しびれた一一おい、コラ! 触るな、コラ! 遊ぶな、コラ!」

「い……! いいいいいや、そのカガミの前でクルクル回ったら楽しいだろうなって話してたんだ! な!? な!? そうだろ!?」

「お前、面食いだろ? だったら俺のコトも好物だろ? いやぁ、まいったなぁ、どこ行ってもオンナに囲まれてなぁ一一あ、待て! どこに行く!」


「君の純潔は僕が守る……!」

「まぁ、立ち話もなんですから」

「最初の一文字だけでいいから」

「うだー。今日からまたフリーだ」

「いやいや、俺を取材してどうする」

「俺は女にダマされるのが得意だから」

「運転手さん、前のへたれ追って下さい」

「飛び出すな。ほうきは急に止まれない」

「何か意見のある人? はい、そこのへたれ」

「黄色い凄艶一一もとい、声援をありがとーう!」

「大丈夫だ! ドロ……大船にのった気でいろ!」

「ああっ! 手塩にかけて仕掛けたワナがーっ!!」

「ちーぱっぱ、ちーぱっぱ、イチャつくな、コラ!」

「ごはんとそばって……あんで主食が二つもあるんだよ」

「おう、まかせろ! 必ず明日のデートに、間に合わせてみせるぜ!」

「喜びたまえ。君は今年の『もふもふしたいへたれランキング』ナンバーワンだ」

「ほんっ……とうに、おいしそうに食べるなぁ……そんなにオナカ空いてたの?」

「意外とカッコいいんですね。最初はもっと、へたれた変態なのかと思ってました」

「怒る時は、アルミ缶に石を入れてを鳴らすとイイよ。コレは犬が嫌う音なんだ。へたれ犬のしつけにも効果的さ」

「なぁ、どっちが似合う? どっちも? いやあ照れるなぁー。やっぱ俺ってイケメンなんだなぁー。ああ、待て! どこに行く!」

「どうだ、似合うだろ? グラサンかけっと威圧的に見えっからよ。迫力でショウブよ、ショウブ。もう『へたれ』なんて言わせねぇぞ、コラ」

「家出した、かくまってくれ。金のシンパイはいらねぇ。ただ、雨風をしのげればいいんだ。部屋のすみっこで飼ってくれ。一一違った。すみっこ貸してくれ」

「第一回、シリウスがもし『魔法使いじゃなかったら』こうなってそうアンケート! 一位、数学の先生! 二位、トラックの運転手! 三位、ニューハーフ! どうだ!」

「ひいたぞ、コラ! ひいたぞ、コラ! イトひいたぞ、コラ! どうすんだ、コラ! あんだあんだあんだ、コラ! からんだぞ、コラ! 動けねぇ、コラ! 笑うな、コラ! 助けろ、コラ!」

「お前ゼッタイ、夏休みの宿題を『最初の一週間で終わらせる!』トカ言って、九月一日の朝にまだやってるタイプだろ? しかも『宿題提出する授業が三日からだから、まだ大丈夫!』とか考えるタイプだろ?」


「あーあ、俺って損なセイカク」

「あー、もしもし? 俺、俺、おれだって!」

「待て。お前がはいてンのは、俺のパンツだ」

「風呂で寝てンじゃねぇっつーの。起きろ、コラ」

「へたれ、おすわり。おて。そーれ、取ってこーい」

「ああもぉ、コイツのこの根拠のない自信はいったいどこから……」

「もー、すんげぇショックでさー。ここ最近、夜しか眠れねぇんだよ」

「だー! 待て待て! 痛いか!? ソレは痛いのか!? 痛いのはヤだぞ!?」

「おまえー、へたれのクセにナマイキだぞー。へたれのモノは僕のモノ、僕のモノも僕のモノだ」

「……お前らさ、いいかげん仲直りしてくんない? この気まずぅーい沈黙に、ボク耐えられマセン」

「ちっげぇよ、俺がとったんじゃねぇって! ここに落ちてたんだって、お前の使用済み水色パンむぎゅ」

「うぉっ! あんだこの大量の雪は、コラ! 腰まで埋まるぞ、コラ! 学校の校庭で遭難の危機だ、コラ!」

「あのヤロウ……今度会ったら、卵のからで作った『ひな人形』投げつけて、カルシウムまみれしてやる……!」

「へっ。どうだ、カンペキだろ? まー、俺ってば、なんてウソがウマいんでしょ。んもぉ惚れ惚れしちゃう。あはん」

「だ−、ハラへったハラへったハラへったハラへったぁーっ! おお、主よ、哀れなしもべのお腹をお救い下さい。ぐーきゅるるー」

「さぁさぁ、このカッコいいお兄さんが、君の悩みを親身に聞いてあげようではないか。頼りねぇってあんだ、コラ! 襲うぞ、コラ!」

「僕、平熱が低いからさ……三十七度でも、もうヤバいんだよね……もう天と地が逆になってるーってカンジ……ああん、助けてぇーん」

「ハァーイ、ここで一発、『英語禁止げぇーむ』! 以後の会話に『英語』を混ぜてはイケマセン。オーケイ? ……いっ、いまのはナシだぞ、コラ!」

「アイツさぁ、近所のガキには『本命だよ』って渡すクセに、俺には力いっぱい『義理だよ』っつって渡すんだよな……しかも満面の笑みだこのやろう」

「やーっべ……やっちまった? いまの失言? あ、あ、ど、どういうことって……ガ−、ピーピー、ケイコク、デンパショウガイ、デンパショウガイ、しすてむニ、ダメージハッセイ、シュウリヒツヨウ、シュウリいてっ、叩くな、コラ!」

「一度だけ……見たコトあんぜ……。普段、おだやかーな笑顔しか見てねぇから……いやぁ……ええと、な……うん……。す、すご……かっ・・・た。アイツは敵にまわしちゃあいけねぇ。いいか、オニイサンからのチュウコク。ケンカ売んのダケはヤメとけ。アイツはアレだ、人類の天敵だね、テンテキ。病院の。それは点滴。ツッコめ、コラ」

「アイツが……おかしくなっちまったんだ……。部屋では服をきて、パンツもかぶらない、コカンに花も咲かせない、風呂ものぞいてこない……。こんなの、三年もつきあってて、初めてのコトだ。そのうえ、今朝なんか庭で熱心にざっそうを引っこ抜いたりして……。飛び散る汗、さわやかな笑みにかがやく、白い歯がまぶしかったぜ……スローモーションで髪までなびいて……。なぁ、俺……アイツのために、どうしてやったらいい……?」


「うっへぇー、こーりゃ心臓にワリぃ」

「アイツがニガテ? ああ、分かる。俺もニガテだ」

「『無理』『無茶』『無謀』の『無能』な『無計画』オトコー、五大『無』のへっぽこへちゃむくれー」


「ほっほっほっ、愛いやつよのぉ。苦しゅうない、近う寄れ」

「お前はどうしてそう毎回毎回、俺をフルネームで呼ぶかな。ああん?」

「あにヘコんでんだ? ほれ、元気出せ。トクベツに俺のヌード見せてやっから。身体も好きなだけ触れ。しかもタダだ。どうだ。ほれほれ」


「な、頼むよ! 羊皮紙十cmだけ写させて」

「そんな捨てられた子犬のような目で見ないで欲しいなぁ」

「なぁ。お前、どっかで会ったコトねぇ? ち、ちっげぇよ、ナンパじゃねぇって!」


「ダメだ……意識しすぎ」

「まるで散歩用のリードを見せた、犬のようなはしゃぎようだね」

「うっわー、見ろよ。このはっ倒したくなる、アタマ悪そうなスケベづら」


「んでさ、物は相談だけど」

「そう言うトコ、昔と変わんねぇな」

「やっぱ、三倍返しは基本だよな?」

「校則違反、みんなでやれば恐くない」

「抱っこしてやる。ほら、こっちこい」

「ハン、薬のプロのクセに騙されやがって」

「お前ってどうしてそう執念深いのかなぁ」

「わりぃ……泣かせたかったワケじゃねぇんだ」

「これで勝ったと思うなよ……お楽しみはこれからだ」

「しゃーねぇだろ、初めてなんだからよ。慣れだよ慣れ」


「質問を質問で返すなよ」

「逆らえないなぁ……この人にだけは」

「ここでソレを言うのは卑怯だろう……」

「貴様……さっきのはわざとだろう……」

「この……羊の皮をかぶった狼めが・・・」

「なーにアンニュイなポーズでへたれてんだよ」

「おっ、俺、下はイヤだぞ! お前が下になれ!!」

「やめておけ。……ヤツは君の手に負える相手ではない」

「前にも見た事があるな……フン、同じ手が通用すると思うなよ」

「それ以上近づくな! きっ、きっ、貴様はいつもそうやって……!」

「君は一つ深刻な勘違いをしている……私は照れ隠しに嫌がったフリをしているのではなく、全身全霊で断固拒否しているのだ」

「ああ、わあってるよ……お前が『知らない事は何でも経験したがる』ヤツだってのはな……で、誰かに入れ知恵されて、早速やってみたくなった……と?」

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