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「見るな。減る」
「聞こえてるぞ」
「ソレで本気か?」
「黙れ、手のり犬」
「ええ、ワザとです」
「なぜ私を助けた……」
「はっ……チキン犬め」
「もっと向こうに行け」
「ああ・・・呉越同舟……」
「おはよう。では、サヨナラ」
「フン、うすっぺらいヤツめ」
「無断で俺の視界に入ってくるな」
「……ヤツは、不倶戴天の敵なのだ」
「あーあ・・・まぁた始まった……」
「血の気の多いヤツだ。献血でも行け」
「月の明るい夜だけだと思うなよ……」
「憎悪と愛情って、紙一重って感じ?」
「奇遇だなぁ。俺もお前が嫌いなんだよ」
「おら! コレ持って、とっとと帰れ!」
「てめ……俺にケンカ売ってンのか!?」
「フッ……まぁ、バカなりに頑張れ。犬」
「まさか俺のコト、ライバル視してンの?」
「立ってるヤツは他人でも悪人でも利用する」
「自分への悪意に敏感で、好意に鈍感なんだよ」
「彼みたいな人を『反面教師』って言うんだよ」
「フン。あんなヤツ、『のし』つけてくれてやらぁ」
「あのふたりって、どうして仲が悪くなったんですか?」
「アイツのコトなんざ、なぁんとも思ってないしぃー?」
「ホネでも食べるか? それとも首輪をつけてやろうか?」
「最初はいいヤツだよ思ってたんだよ。・・・最初は、ね」
「悪気がなければ、なにをやってもいいというワケではない」
「……あの程度で、俺に『貸し』を作ったと思うなよ・・・」
「あの陰険メガネに愛想なんてモンを期待する方が間違いだ」
「……この俺に『バカ』なんて言ったヤツは、お前が初めてだ」
「どうした、そんなに殺意みなぎらせて……ああ、アレか・・・」
「……返事をする前に、ドアを開けるな。なんのためのノックだ」
「あんなヤツは俺にとって『橋にも棒にもかからない』存在なんだよ」
「お前ら、またかよ。ったく、しゃーねぇなぁ。おい、だからよせって」
「さぁ、犬の飼い方は知らん……犬に襲われた時の対処法なら、分かるが」
「なにを言っている。私たちは普通に楽しくおしゃべりをしているだけだ」
「いや、僕が行こう。あのふたりが顔をあわせたら、帰ってくるのが遅くなる」
「私はあなたが嫌い。一一嫌いだけど、興味がないと言ったら、ソレはウソになる」
「危ねぇだろ、コラ! ねこパンチすんな、コラ! やんのか、コラ! かかってこい、コラ!」
「ケンカするほど……っていうけど、あのふたりの場合・・・本っ気で、仲が悪いんですね……」
「・・・・・・。私はあまり、あなたのような子供っぽいノリには、ついていけませんよ。もっと落ち着いた会話を望みます」
「あなたにチカラを貸してあげますよ。……勘違いしないで下さいね? 別に、助けたいワケではありません。ココであなたが倒されると、僕が困るんですよ。あなたに敗れた僕は、あのザコ以下ってコトになってしまいますからね。一一あなたを潰していいのは、私だけです」
「一一俺に、命令、す、る、な!!」
「貴様もっと離れろ! 僕に近づくな!!」
「あー、上等だ! 俺とやろうってのか、コラ!!」
「その陰険ヅラひっさげて、人の夢ん中出てくんじゃねぇ!」
「いいか、この線から一歩でも入ったら後悔する事になるぞ!」
「貴様はいつもヤツのいいなりだな? 逆らえないのか、犬め」
「チビっこい身体ちょろちょろさせてんじゃねぇ! 踏むぞ!!」
「てめぇはさっきから同じ事めーめーめーめー何度ほざきやがんだ、コラ!」
「フン、貴重な時間を割いてやるのだ、少しは楽しませて頂けるのだろうな?」
「はっ、誰が貴様のようなやつに頼るものか! 思い上がりもたいがいにしろ!」
「ざけんな……何で俺があんなひねくれ野郎の事なんざ、気にしなきゃなんねぇんだよ」
「仕方なく部屋においてやっているのだ! 私の心の広さに感謝してさっさと寝ろ!」
「アイツ自身は嫌ぇだが、アイツを見かけっと妙に気になる。だあら余計にハラ立つ」
「るっせぇ! いちいちてめぇなんかに言われなくてもなぁ、ちゃんとわかってんだよ!」
「何を怯えている? さぁ、さっさと何か仕掛けてみろ。ん? どうした? できないのか、このチキンが」
「へっへーん! 何度やってもなぁ、お前が俺にかなうワケねぇっつーの! ざまーみろーっだ、ぶわぁーっか!」
「いいか、今だけだぞ! 他に方法がねぇから、我慢しててめぇなんかと手ぇ組んでやるんだ! ありがたく思え!」
「勘違いすんじゃねぇぞ、いいか。俺はアイツに頼まれたから、仕方なく、仕方なく、仕方なーく、来てやったんだ!」
「これ以上バカになりようのない頭がさらにバカになったようだな。ではバカの中のバカである君でもご理解頂けるよう、簡潔にご説明しよう。ここは私の部屋だ。迷子になったのならそのバカ面に似合う、ミラクルバカな迷子札を作ってやろうか?」
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