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「ケー番教えて、あとで写メ送る」
「こんばんは、070です。未だにPHSです。そこ、笑うな」
「……今から出発するんだろ。駅まで送るよ。自転車、後ろ乗って」
「カミナリの最中はパソコン消しとけ。まだ避雷針つけてねぇんだあらよ」
「ムードでハラはふくれない。さあ、いざゆかん、ラーメンが俺たちを待っている!」
「いまどきさ、ケータイと間違えてTVのリモコン持ってくるヤツ、お前ぐらいだぜ」
「おこたでぬくぬくしつつ、冷凍ミカン。ああ、なんてスバラシイ。生きてるーってカンジ」
「電車の豪快な揺れが平気で、なにゆえ震度三程度の小規模な地震をそこまで恐れるのだね」
「へーい、ソコのイカしたネーチャン、郵便番号教えてくんない? ……あ、違った。電話番号だ」
「誰からのプレゼントか分かんねぇだぁ? うっわー怖ぇ。捨てろ捨てろ。そのMD、きっと中に盗聴器入ってんぜ」
「この封筒さ……切手がないんだよね。つーコトは、直接家のポストに入れられたってぇコト。家の場所、差出人のコイツにバレてるってコト」
「なー、冷蔵庫のあの牛乳パックの成れの果て、なに? カスピヨーグルトでも作ってんの? なんかドア開けるたびに群れをなして増殖してんだけど」
「あ、TV消すな、見てるんだから! 目を閉じてただけだ、寝てない! お前の言ってる事もちゃんと聞こえてた! ただ返事するのが面倒だっただけだ!」
「コレ? そこのコピー機で俺らのカオ印刷したヤツ。ナイスだろ? 白黒がポイント。ちょっとしたホラー映画より数倍怖ぇ。カガミ見れなくなっちゃうカモ」
「お、修学旅行の写真できてんじゃん。しっかしまぁ、俺が写ってるヤツはミゴトに全部、心霊写真だあねぇ。俺サマこんなトコでも大人気。ひゃっひゃっひゃっ」
「俺さ、チャットでよく話すヤツがいるんだ。趣味もあうし、歳も近い。話してて楽しい。一一けど、最近よく思う。コイツはホントに、ネットの向こうに存在してんのか……ってな。ホラー映画の見過ぎ?」
「お前……知らねぇの? 新宿二丁目つったら、ゲイのたまり場で有名だろーが。んなトコで一人映画なんぞ見てりゃ、格好のエサだぜ、エサ。辺りも暗ぇし、いろいろされちまうぞ。だあらってトイレに逃げんなよ。『一夜の契り』オーケイの合図だかんな、ソレ」
「合コン作戦その一、スーツ着用。そうすりゃ第一印象がいい。ついでに服のセンスについて問われる心配がねぇ。そのニ、脱がせたきゃ、部屋を暑くさせろ。その三、席替え後、女の間に男が入るべし。その四、とにかく酔わせろ。その五、家まで送ってトイレを借りろ。んで飲み物を出してもらえ。以上、諸君の拳闘を祈る!」
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