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「ここ何年も雪なんて降らなかったのに……ホワイトクリスマスなんて初めてだよ」
「見てよコレ、凄い年賀状の数。何年分だろう? 手紙って『捨てられない物』ナンバー・ワンだよね」
「お前ならどうする? 川をはさんで俺と離ればなれになったら。一年に一回しか会えなくなったとしたら」
「『母の日』はみんな覚えてんのに、『父の日』はそれほど盛り上がんねぇんだよな……パパ寂しい。くすん」
「お菓子くれなきゃ悪戯するぞーってね♪ でも俺らにとってはお菓子より、悪戯にひっかかってくれた方が嬉しいんだけど」
「じゃーん。今年の夏は思いきって食い込みにしてみました。『はいれぐ』と言うヤツです。どう? せくしー? むらむらくる?」
「このロウソク、さっきから何度息を吹きかけても火が消えないんですけど……何ですか、このしぶとさ。『道具は持ち主に似る』ってヤツですか」
「バレンタイン? ああ、どこぞの司祭が無法な結婚を隠れてさせたが為に、処刑されたと言うアレか。他人の命日になぜ愛やロマンチックさを求めるのか、理解に苦しむ」
「準備は万端です、さぁ行きますよ! どこって……夜桜でお花見に決まってるじゃないですか! さっきちらっと見たけど、すっごく綺麗だったんですよ! お弁当もお茶もお酒も用意しました。さぁ、早く早く!」
「さぁ世の男たちよ、耐えるのだ! 今日はただ、月末であり、年末であるだけの平日! 我らはただ、これまで通りの日常を過ごすのみ! たったの二日だ! イルミネーション、街の活気に気押されるでない! 孤独を愛せ! 我らは、自由だー!」
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