九龍妖魔學園紀カレー100人分





「アタマを撫でるなっ!」

「一一夷澤。あとでお仕置き」

「我慢のしすぎはよくないぞ?」

「ふふっ……君らしくもない・・・」

「あのな……起こすなら普通に起こせよ・・・」

「……別に、いいけどな。アホには慣れてるし」

「こ、このっ……! 起きたら覚悟しろよ……」

「……こんな僕でも、仲間にしてくれるのかい?」

「実は、迷ってた……お前のそばにいる事を一一」

「……いいさ。いつかは真実にたどり着く・・・」

「……フルネームで呼ぶな。新種のイヤがらせか?」

「あいにく、俺はウソを見破るのが得意でな・・・」

「うふふっ。咲恵お姉さまァ、だーいすきっ! ですの〜」

「ンなトコで寝るなよ……ベッドに連れてってやろうか?」

「いやぁ、熱烈な視線だねぇー。お兄さん、照れちゃうよー」

「こら、アロマパイプ返せよ……キスでもする気か・・・?」

「安心しろ……お前に触らせはしない。俺が守り抜く。必ず」

「さぁ・・・どっちがいい? 選ばせてやるよ、九ちゃん……」

「お前なぁ……俺がカレーで、なんでもいうコトきくと思うなよ?」

「言わなくても気づけ……それとも、そんなに言って欲しいのか?」

「夕薙センパイは俺にとって『敵』です。なぜって・・・一一身長が」

「あなたも気をつけなさい……このサイトは、呪われているわ・・・」

「どうしてくれるんだ……俺に言うだけ言って、自分は・・・一一チッ!」

「はぁー・・・おせちばっか見てると、カレーが食いたくなるよなぁ……」

「ふぅん……そんなにコイツ欲しいのか? 九ちゃん。ほぉら、とってみ?」

「なに、驚いた『スコティッシュ・フォールド』みたいなカオしてるんだよ」

「引っ込め、エロ侍。俺たちだけで充分だ。お前は隅でギターでも鳴らしてろ」

「……俺からは絶対、言ってやらないからな・・・早く堕ちろ、バカ九龍……」

「……かなり危険な状況みたいだけど、僕は安心してココにいられるよ。だって……君を信頼しているから」

「……なんだか落ち着かないなぁ、君のその香り。石の香りと一緒だと、あまり相性がよくないみたいだねぇ」

「んー・・・・・・・・・・・・・・・一一ああ、夷澤か!? 髪おろして眼鏡はずすと、誰だか分からないな」

「正直に申し上げマスと……少し、怖いのでありマス・・・ですガ! 自分は、隊長を信用しているでありマス……!!」

「一一お前が、俺に手を差し伸べた事を……俺が、その手をとってしまった事を……お前は・・・後悔してないか……?」

「ちょっと診てやろう。俺は医学の心得がある。ほら、九龍。上着を脱いで、背中を見せてみろ一一なっ、なんだよ、甲太郎!?」

「まだケガが治ってないんだから、『夜遊び』は止めとけ。……どうしてもって言うなら、俺が別の『夜遊び』を教えてやるよ一一」

「……あのな。俺が甘いものなんて、持ってると思うか? で、どうするんだ。イタズラしないのか? 来ないなら、こっちから仕掛けるぞ」

「……っ! 二ブいヤツだな……この俺がここまで言って一一まさか、ワザとか? チッ……分からないなら、もういいっ! 俺は寝るんだ、帰れ!」

「ふぅん……なかなか似合ってるじゃないか、九ちゃん・・・・・・・・・あ、なんでもない。さて。それじゃ、行くとするか。いつもの『夜のデート』に、な」

「……話は変わるが、皆守。龍とはどこまでいったんだ? フフッ、なにを動揺している。ただ、遺跡の話をしているだけじゃないか。ホントにかわいいコだね、君は」

「理由……理由は・・・一一あー、ダルい。また今度、教えるわ。さぁーって、メシにしようぜ。ほら、そんなカオしてないで立て。俺のハラがマミーズのカレーを待ってる」

「こっち向け……あー・・・まつげが入ってるな。じっとしてろ・・・・・・一一ほら、取れた。……なんだよ、そのカオ。目にゴミが入ったら、舐めて取るのは普通だろ?」

「センパイ、こんな問題も分かんないんっスか? アホですね。ほら、もっとそっちいって下さい。アンタのカワイイ後輩が、優しく教えてあげますから。数学は得意なんでね」

「え・・・エロざむらいっ……!? 皆守 甲太郎・・・今度と言う今度は、我慢ならん! 正々堂々、拙者と『死合い』をして頂こう! 今日こそお主に、引導を渡してくれる……!」

「ちょっと、ソコのでかいの。ジャマなんスけど。寝るんなら他行ってくれません? いでででででででっ!? なっ、なにしやがる! この、アロマ野郎っ! いででででっ! 痛ぇっての、おいっ! ちょっ……ぐぇっ! ギブギブギブ!」

「古人曰く一一『据え膳食わぬはオトコの恥』。……いえ、なんでもありません。雛川先生がさがしていましたよ。職員室まで来て欲しいそうです。……皆守くん。《秘宝》を横取りされないよう、頑張って下さいね。それじゃあ、私は本の回収があるので。失礼します」

「一一あなたは、とてもポジティブな方だ。君のそばにいると、僕は考えさせられる事が多いですよ。互いを刺激しあい、精神を高めあえる関係一一そう感じています。……本当は、君のとなりにいるのは、僕だけでありたい……そう願うのは、ワガママでしょうか。一一ふふっ・・・冗談、ですよ。困らせてしまって、申し訳ありません……」

「んー・・・あと五分……いや、十分……やっぱ、三時間・・・一一あーもう、うるさいなぁ……アンタもとなりで寝ればいいでしょ……ほら。どーぞ、センパイ……ん……あったかい・・・アンタの『夜遊び』に突き合わされるせいで、俺は毎日『寝不足』っスよ……ふあぁぁ・・・っ……あー、眠い……うっ!? な……なにか強烈な殺気が……」

「九ちゃん……お前が『普通』の学生じゃない事は、俺もよく分かってる。一一が。ムチをそうやって慣れた手付きプラス笑顔全開で振り回すのは、健全な男子高生としていかがなものかと、最近よく思うワケなんだが……って、聞いてないな、おい。一一凄い楽しそうだなぁ……そのうち『女王様とお呼び』とか言い出すなよ……ふーっ・・・アロマがうまいぜ……」

「あのー、神鳳サン。なんで副会長補佐の俺に、誰が副会長なのか教えてくれないんスか? え、双樹サンに聞け? もう聞きましたよ。そうしたら『阿門サンに聞け』って言われたんスよ。で、阿門サンに聞いたら『神鳳サンに聞け』って。なんなんスか、コレ。なにかの伝言ゲームっスか? え……そ、そんな……まさか! 副会長の正体が……俺が普段世話している、あの金魚だったなんて……!」

「おっはよーっ! あ! ねぇねぇ、九チャン、九チャン! 知ってる? 今日からマミーズで『カレーフェスティバル』開始なんだよっ! なんでも、十五種類のカレー料理が追加されるんだって。コレは『誰かサン』は見逃せないイベントだよねー・・・って……あれ? まだ来てないの? もう、またサボりー!? 全く、しょうがないなー、あのダルダルアロマは・・・一一うわ、びっくりしたっ! なんだ、来てたんなら教えてよー! 無言で背後に立つなんて、シュミ悪いぞー!?」

「オーホッホッホッホッ!! さァ、ダァーリイィィィィーンッ! すどりん愛のモォォォォォーッニング、キイイイイィーッス! 受け取ってちょおだあぁぁぁぁぁぁぁぁぐごっ! キイィィィィィーッ! ちょっと、アンタ! イキナリなにするのよッ! アタシとダーリンの『愛のメェモォォォォーリアルッ』! ジャマすると、タダじゃおかなふごっ!! あはん、おかしいわ……なんだかアナタの容赦ない蹴りに感じちゃう・・・ああん、もっと……ほぎょっ!! くっ……いまのは効いたぜ……! いい蹴り持ってンじゃねぇか。一一フッ、あなたの愛に免じて、今日の所はコレでひいてあげるわ。でも、次はこうはいかないわよ。覚えてらっしゃい、皆守 甲太郎ッ! じゃ、ダーリン。バイビー♪」


「また俺に愛に来いよ」

「強くなれ。俺のために」

「……言ってよ。ウソだって」

「おい、待て。俺も連れてけ」

「写真よりお前が欲しいんだよ」

「ふむ……今日もツッコミ役は不在か……」

「ば、馬鹿っ……! ココは生徒会室一一」

「……ほら、言ってみな。『好きだ』って」

「せめて……ラクにイかせてやるよ・・・」

「行け。《生徒会》副会長としての、命令だ」

「隊長! 行かせて欲しいでありマスッ……!」

「ま……『皆を守る』と書いて『皆守』だから」

「なぁ、九ちゃん……お前は俺が、必要か・・・?」

「お前の考えている事ぐらい分かるさ。単純だからな」

「一一っ!! 九ちゃんの馬鹿っ! もう知らねぇ!」

「むぅ、酔狂な……むしろ、面妖な……いや、狂喜の沙汰一一」

「どうした……熱いのか、九ちゃん……? くーちゃん・・・一一」

「た、隊長……ダメでありマス……見ないで欲しいでありマス……はうっ……」

「うぐっ……! チッ、二十歳め……ひとりだけ堂々と酒を飲めるとは……!」

「・・・。着物の着付けなら、俺よりあのエロ侍の方がうまいんじゃないのか?」

「大和と話をすると……どうしても、ハラのさぐり合いみたいな会話になるんだよな……」

「……やれやれ・・・ワガママ言って俺の言う事がきけないようなら、実力行使させてもらうぞ?」

「……そうか? 少なくとも取手や墨木の方が、俺なんかよりよほど優しくしてくれると思うぜ……」

「やっぱ、卑怯……だよな。お前を俺につなぎ止めたい……ただそのためだけに、俺は……こんな・・・」

「……このカレーの材料は『どこ』から入手した? カオをそらすな。まっすぐ俺の目を見て、言ってみろ」

「俺だけを見ろ。俺の事だけ考えろ。俺だけを追い掛けて来い。一一お前の中にいていいのは、俺だけだ。分かったな?」

「……お前はココに、カレーを食べに来たのか・・・? 素直になれ、九ちゃん……知ってるか? 紫が、なにを意味する色か一一」

「最近、お前といると……となりで寝て過ごすのが、勿体なく感じるよ。この俺が『起きていたい』と思う日が来るなんて……な・・・」

「いいか、九ちゃん。夏と言えばカレーだ。だから、今日からお前もカレーフェスティバルだ。親友として、付き合ってくれるだろう?」

「まァ……九サマ。そのお顔……もしかして、『想われニキビ』というモノではありませんの〜? うふふっ、お相手はどなたなんですの〜?」

「うふふっ。どう? アタシってば、役に立つボディでしょ。……あ、違ったわ。バディね。ま、似てるからどっちでもいいわね。オーホッホッホッホッ!!」

「ねぇ、皆守……あたし、九龍に『ガーターベルトの付け方』を聞かれたわ……あまり他人の趣向にクチを出すつもりはないけど、ほどほどにしてあげてね……? それじゃあね」

「アッサラーム・アライクム! 我ガ王、イイ加減観念シテ、俺ニ食ワレチマエヨ、デース! オ!? ド、ドウシタデスカ? 無気力アロマサーン!? ボク、ナニカ変ダッタデースカー!?」

「……フン。《生徒会》のクセに、授業サボってていいのか? こんな時間にお出ましとは、会計はずいぶんとヒマなようだな。見ての通り、こっちは体育の授業中だ。……行こうぜ、九ちゃん」

「ああ……センパイ、失明しちゃってますね。大丈夫、一時的なヤツっスよ。少したてば治ります。ほら、それまで俺が手をつないでてあげますから。ハイ。……だ、誰が『盲導犬』っスかぁっ!!」

「ちょっとコッチに来て……いいモノをつけてあげるわ。昨日、試作したのよ。耳の後ろに、少し……ね。一一うふふ・・・やっぱりあなたには、その香りが一番似合うわね……まるで、誰かさんの移り香みたい」

「フッ・・・この期に及んで言い訳か……日本男子の風上にもおけヤツ! 見苦しいぞ、皆守 甲太郎! 片腹痛いわ、この痴れ者が! そこへなおれ! 手討ちにしてくれようぞ! いざ、参る! きえぇぇぇーっ!」

「なっ、七瀬どの……今度、拙者と……むぅ……いや、もっとこう、ふれんどりぃに……親近感のわくような……うむぅ・・・一一むっ!? しっ、師匠っ!? いいいいいいいいいいいかがなされた! 拙者に用であろうか!?」

「あ、もしもし? 皆守クン? 九チャン屋上で捕獲しといたよー。早く引き取りに来てねー。一一あはは! まーたまたァー、そぉーんな素直じゃない事、言っちゃって! 早く仲直りしなきゃダメだぞ? じゃ、まったねー!」

「一一タダじゃあげれませんよ、センパイ。そうっスねェ……ソコにひざまずいて『どうか譲って下さい、お願いします凍也さま』って言ってみな。一一ククッ、素直じゃないっスか。いいっスね……ゾクゾクしてきましたよ……」

「一一それは、あまりにも無謀というものさ。素直になる、甘える。このふたつは、一生かけてもできるかどうか分からない、ウルトラCの難題だ。考えてもみろ……『あの』甲太郎だぞ? ふぅ……どうしたものかな、あの無気力アロマ」

「……ここは寒いな。もっと俺にくっつけよ、九ちゃん・・・一一ん? お前のH・A・N・T、なにか言ってないか。一一ふぅん……心拍数上昇、体温上昇、自発呼吸に異常……だと、さ? 怪我でもしたか、九ちゃん。……舐めてやろうか?」

「一一その前に……阿門さま、ご報告があります。夷澤には、《生徒会》副会長は、あの『金魚』だと話しておきました。いまの所は疑いつつも、その『副会長』を世話しています・・・真実味を増すためにも、今後は我々であの金魚を『副会長』と呼ぶのはいかがかと……」

「オー、『テヤンデェ、オトトイ来ヤガレ、ベラボウメイ』デース! ハーイ、我ガ王、夕薙サン、無気力アロマサーン! ワラニモスガル思イデ、遊ビニ来タデース! ハハハ! 日本ハ、眼鏡ダンディズムネー! 鬼畜サドフクカイチョー、馬ニ蹴ラレテ飛ンデケー! コレ、ボクノ日本語ノ先生、神鳳サン、教エテクレタデース! トテモ、イイヒトネー!」

「一一だっ……だ・れ・が……『かわいいヤツ』っスかっ! つーか、俺に向かってカワイイとか抜かすなぁーっ!! あ……アンタ、目がおかしいんじゃないっスか!? 一体、俺のドコが・・・一一ち、違う! ミルクは『好きだから』飲んでるのであって、『そういう意味』で飲んでるワケじゃないからなっ!! ちょっ……なにがおかしいんスかぁっ!!」

「一一あなたに、本来の目的を思い出して頂こうと思ったんですよ。監視しているうちに、情でもうつってしまったのではないか一一そう、危惧しましまして……ね。杞憂である事を願いますよ・・・一一ねぇ、副会長さん? それと明日の放課後、生徒会室に集合です。ふふっ、確かにお伝えしましたからね。以前のように『メールを見なかった』なんて言い訳は使えませんよ。……あまり、あの方の優しさに甘えないで下さい。では、僕はコレで失礼します」

「あぁぁぁァーん、ダァリィーン。茂美、怖ぁーい。うふふっ、もっとそばに来て……手をつないで……むぎゅっ。あんっ、いやん! ダメ、ダーリン! こ、こんな所で……ああっ! イヤ、そんなトコ……茂美、感じちゃ一一ほぎょっ! ちょっと、アンタ! 毎度毎度、アタシたちの愛をジャマすんじゃないわよッ! さては……うふふっ。アタシたちの仲のよさに、嫉妬してるわねッ!? オーホホホホホホ! 皆守 甲太郎、敗れたりーッ! もぎょっ!! キイィィィィィ! なにか文句があるならクチで言いなさいよ、クチで! アタシのこの美しいカオに蹴りなんかいれて、キズでもついたらどうすんのよッ! あ、責任はとって頂かなくても結構よ。将来はダーリンのお嫁さんになるから。オーホッホッホッホッ!! あんっ、ふたりとも待ってーッ! アタシをおいてドコに行くのよーッ!?」

「一一ん、きたか? どれどれ……って・・・・・・おいっ……! こ……コレ、マジで俺が答えるのか!? チッ、あのアホ、なに考えてるんだ……もしもし、九ちゃん? お前、このメールなんだよ!? いや、確かにそう言ったけどな……お前、コレはいくらなんでも……ああ、まぁ……うーん・・・いま? 全部? あー・・・分かった、分かったよ。・・・えー、なになに……・・・マジかよ……俺にどうしろと……チッ、さっさと終わらせよう……。うーん……『舐める』。うわっ。えー、次は……ああ、八千穂にやらされた事あるな……『むすべる』。えー・・・ない、な……。『ない』。えー・・・一一ロコツすぎんだよ……『1、2時間』……左利きだから、まぁ『左手』……えーと……『たつ』。『消す』。『風呂で確認しろ』。うっ・・・・・・一一『腰』。…………。コレを送信……しろ、と……? はぁ……・・・・・・。フッ……いいぜ、九ちゃん……そっちが、その気なら……俺だって思いっきり答えられないような質問、送ってやる・・・!!」


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