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「アタマを撫でるなっ!」 「一一夷澤。あとでお仕置き」 「我慢のしすぎはよくないぞ?」 「ふふっ……君らしくもない・・・」 「あのな……起こすなら普通に起こせよ・・・」 「……別に、いいけどな。アホには慣れてるし」 「こ、このっ……! 起きたら覚悟しろよ……」 「……こんな僕でも、仲間にしてくれるのかい?」 「実は、迷ってた……お前のそばにいる事を一一」 「……いいさ。いつかは真実にたどり着く・・・」 「……フルネームで呼ぶな。新種のイヤがらせか?」 「あいにく、俺はウソを見破るのが得意でな・・・」 「うふふっ。咲恵お姉さまァ、だーいすきっ! ですの〜」 「ンなトコで寝るなよ……ベッドに連れてってやろうか?」 「いやぁ、熱烈な視線だねぇー。お兄さん、照れちゃうよー」 「こら、アロマパイプ返せよ……キスでもする気か・・・?」 「安心しろ……お前に触らせはしない。俺が守り抜く。必ず」 「さぁ・・・どっちがいい? 選ばせてやるよ、九ちゃん……」 「お前なぁ……俺がカレーで、なんでもいうコトきくと思うなよ?」 「言わなくても気づけ……それとも、そんなに言って欲しいのか?」 「夕薙センパイは俺にとって『敵』です。なぜって・・・一一身長が」 「あなたも気をつけなさい……このサイトは、呪われているわ・・・」 「どうしてくれるんだ……俺に言うだけ言って、自分は・・・一一チッ!」 「はぁー・・・おせちばっか見てると、カレーが食いたくなるよなぁ……」 「ふぅん……そんなにコイツ欲しいのか? 九ちゃん。ほぉら、とってみ?」 「なに、驚いた『スコティッシュ・フォールド』みたいなカオしてるんだよ」 「引っ込め、エロ侍。俺たちだけで充分だ。お前は隅でギターでも鳴らしてろ」 「……俺からは絶対、言ってやらないからな・・・早く堕ちろ、バカ九龍……」 「……かなり危険な状況みたいだけど、僕は安心してココにいられるよ。だって……君を信頼しているから」 「……なんだか落ち着かないなぁ、君のその香り。石の香りと一緒だと、あまり相性がよくないみたいだねぇ」 「んー・・・・・・・・・・・・・・・一一ああ、夷澤か!? 髪おろして眼鏡はずすと、誰だか分からないな」 「正直に申し上げマスと……少し、怖いのでありマス・・・ですガ! 自分は、隊長を信用しているでありマス……!!」 「一一お前が、俺に手を差し伸べた事を……俺が、その手をとってしまった事を……お前は・・・後悔してないか……?」 「ちょっと診てやろう。俺は医学の心得がある。ほら、九龍。上着を脱いで、背中を見せてみろ一一なっ、なんだよ、甲太郎!?」 「まだケガが治ってないんだから、『夜遊び』は止めとけ。……どうしてもって言うなら、俺が別の『夜遊び』を教えてやるよ一一」 「……あのな。俺が甘いものなんて、持ってると思うか? で、どうするんだ。イタズラしないのか? 来ないなら、こっちから仕掛けるぞ」 「……っ! 二ブいヤツだな……この俺がここまで言って一一まさか、ワザとか? チッ……分からないなら、もういいっ! 俺は寝るんだ、帰れ!」 「ふぅん……なかなか似合ってるじゃないか、九ちゃん・・・・・・・・・あ、なんでもない。さて。それじゃ、行くとするか。いつもの『夜のデート』に、な」 「……話は変わるが、皆守。龍とはどこまでいったんだ? フフッ、なにを動揺している。ただ、遺跡の話をしているだけじゃないか。ホントにかわいいコだね、君は」 「理由……理由は・・・一一あー、ダルい。また今度、教えるわ。さぁーって、メシにしようぜ。ほら、そんなカオしてないで立て。俺のハラがマミーズのカレーを待ってる」 「こっち向け……あー・・・まつげが入ってるな。じっとしてろ・・・・・・一一ほら、取れた。……なんだよ、そのカオ。目にゴミが入ったら、舐めて取るのは普通だろ?」 「センパイ、こんな問題も分かんないんっスか? アホですね。ほら、もっとそっちいって下さい。アンタのカワイイ後輩が、優しく教えてあげますから。数学は得意なんでね」 「え・・・エロざむらいっ……!? 皆守 甲太郎・・・今度と言う今度は、我慢ならん! 正々堂々、拙者と『死合い』をして頂こう! 今日こそお主に、引導を渡してくれる……!」 「ちょっと、ソコのでかいの。ジャマなんスけど。寝るんなら他行ってくれません? いでででででででっ!? なっ、なにしやがる! この、アロマ野郎っ! いででででっ! 痛ぇっての、おいっ! ちょっ……ぐぇっ! ギブギブギブ!」 「古人曰く一一『据え膳食わぬはオトコの恥』。……いえ、なんでもありません。雛川先生がさがしていましたよ。職員室まで来て欲しいそうです。……皆守くん。《秘宝》を横取りされないよう、頑張って下さいね。それじゃあ、私は本の回収があるので。失礼します」 「一一あなたは、とてもポジティブな方だ。君のそばにいると、僕は考えさせられる事が多いですよ。互いを刺激しあい、精神を高めあえる関係一一そう感じています。……本当は、君のとなりにいるのは、僕だけでありたい……そう願うのは、ワガママでしょうか。一一ふふっ・・・冗談、ですよ。困らせてしまって、申し訳ありません……」 「んー・・・あと五分……いや、十分……やっぱ、三時間・・・一一あーもう、うるさいなぁ……アンタもとなりで寝ればいいでしょ……ほら。どーぞ、センパイ……ん……あったかい・・・アンタの『夜遊び』に突き合わされるせいで、俺は毎日『寝不足』っスよ……ふあぁぁ・・・っ……あー、眠い……うっ!? な……なにか強烈な殺気が……」 「九ちゃん……お前が『普通』の学生じゃない事は、俺もよく分かってる。一一が。ムチをそうやって慣れた手付きプラス笑顔全開で振り回すのは、健全な男子高生としていかがなものかと、最近よく思うワケなんだが……って、聞いてないな、おい。一一凄い楽しそうだなぁ……そのうち『女王様とお呼び』とか言い出すなよ……ふーっ・・・アロマがうまいぜ……」 「あのー、神鳳サン。なんで副会長補佐の俺に、誰が副会長なのか教えてくれないんスか? え、双樹サンに聞け? もう聞きましたよ。そうしたら『阿門サンに聞け』って言われたんスよ。で、阿門サンに聞いたら『神鳳サンに聞け』って。なんなんスか、コレ。なにかの伝言ゲームっスか? え……そ、そんな……まさか! 副会長の正体が……俺が普段世話している、あの金魚だったなんて……!」 「おっはよーっ! あ! ねぇねぇ、九チャン、九チャン! 知ってる? 今日からマミーズで『カレーフェスティバル』開始なんだよっ! なんでも、十五種類のカレー料理が追加されるんだって。コレは『誰かサン』は見逃せないイベントだよねー・・・って……あれ? まだ来てないの? もう、またサボりー!? 全く、しょうがないなー、あのダルダルアロマは・・・一一うわ、びっくりしたっ! なんだ、来てたんなら教えてよー! 無言で背後に立つなんて、シュミ悪いぞー!?」 「オーホッホッホッホッ!! さァ、ダァーリイィィィィーンッ! すどりん愛のモォォォォォーッニング、キイイイイィーッス! 受け取ってちょおだあぁぁぁぁぁぁぁぁぐごっ! キイィィィィィーッ! ちょっと、アンタ! イキナリなにするのよッ! アタシとダーリンの『愛のメェモォォォォーリアルッ』! ジャマすると、タダじゃおかなふごっ!! あはん、おかしいわ……なんだかアナタの容赦ない蹴りに感じちゃう・・・ああん、もっと……ほぎょっ!! くっ……いまのは効いたぜ……! いい蹴り持ってンじゃねぇか。一一フッ、あなたの愛に免じて、今日の所はコレでひいてあげるわ。でも、次はこうはいかないわよ。覚えてらっしゃい、皆守 甲太郎ッ! じゃ、ダーリン。バイビー♪」 「また俺に愛に来いよ」 「強くなれ。俺のために」 「……言ってよ。ウソだって」 「おい、待て。俺も連れてけ」 「写真よりお前が欲しいんだよ」 「ふむ……今日もツッコミ役は不在か……」 「ば、馬鹿っ……! ココは生徒会室一一」 「……ほら、言ってみな。『好きだ』って」 「せめて……ラクにイかせてやるよ・・・」 「行け。《生徒会》副会長としての、命令だ」 「隊長! 行かせて欲しいでありマスッ……!」 「ま……『皆を守る』と書いて『皆守』だから」 「なぁ、九ちゃん……お前は俺が、必要か・・・?」 「お前の考えている事ぐらい分かるさ。単純だからな」 「一一っ!! 九ちゃんの馬鹿っ! もう知らねぇ!」 「むぅ、酔狂な……むしろ、面妖な……いや、狂喜の沙汰一一」 「どうした……熱いのか、九ちゃん……? くーちゃん・・・一一」 「た、隊長……ダメでありマス……見ないで欲しいでありマス……はうっ……」 「うぐっ……! チッ、二十歳め……ひとりだけ堂々と酒を飲めるとは……!」 「・・・。着物の着付けなら、俺よりあのエロ侍の方がうまいんじゃないのか?」 「大和と話をすると……どうしても、ハラのさぐり合いみたいな会話になるんだよな……」 「……やれやれ・・・ワガママ言って俺の言う事がきけないようなら、実力行使させてもらうぞ?」 「……そうか? 少なくとも取手や墨木の方が、俺なんかよりよほど優しくしてくれると思うぜ……」 「やっぱ、卑怯……だよな。お前を俺につなぎ止めたい……ただそのためだけに、俺は……こんな・・・」 「……このカレーの材料は『どこ』から入手した? カオをそらすな。まっすぐ俺の目を見て、言ってみろ」 「俺だけを見ろ。俺の事だけ考えろ。俺だけを追い掛けて来い。一一お前の中にいていいのは、俺だけだ。分かったな?」 「……お前はココに、カレーを食べに来たのか・・・? 素直になれ、九ちゃん……知ってるか? 紫が、なにを意味する色か一一」 「最近、お前といると……となりで寝て過ごすのが、勿体なく感じるよ。この俺が『起きていたい』と思う日が来るなんて……な・・・」 「いいか、九ちゃん。夏と言えばカレーだ。だから、今日からお前もカレーフェスティバルだ。親友として、付き合ってくれるだろう?」 「まァ……九サマ。そのお顔……もしかして、『想われニキビ』というモノではありませんの〜? うふふっ、お相手はどなたなんですの〜?」 「うふふっ。どう? アタシってば、役に立つボディでしょ。……あ、違ったわ。バディね。ま、似てるからどっちでもいいわね。オーホッホッホッホッ!!」 「ねぇ、皆守……あたし、九龍に『ガーターベルトの付け方』を聞かれたわ……あまり他人の趣向にクチを出すつもりはないけど、ほどほどにしてあげてね……? それじゃあね」 「アッサラーム・アライクム! 我ガ王、イイ加減観念シテ、俺ニ食ワレチマエヨ、デース! オ!? ド、ドウシタデスカ? 無気力アロマサーン!? ボク、ナニカ変ダッタデースカー!?」 「……フン。《生徒会》のクセに、授業サボってていいのか? こんな時間にお出ましとは、会計はずいぶんとヒマなようだな。見ての通り、こっちは体育の授業中だ。……行こうぜ、九ちゃん」 「ああ……センパイ、失明しちゃってますね。大丈夫、一時的なヤツっスよ。少したてば治ります。ほら、それまで俺が手をつないでてあげますから。ハイ。……だ、誰が『盲導犬』っスかぁっ!!」 「ちょっとコッチに来て……いいモノをつけてあげるわ。昨日、試作したのよ。耳の後ろに、少し……ね。一一うふふ・・・やっぱりあなたには、その香りが一番似合うわね……まるで、誰かさんの移り香みたい」 「フッ・・・この期に及んで言い訳か……日本男子の風上にもおけヤツ! 見苦しいぞ、皆守 甲太郎! 片腹痛いわ、この痴れ者が! そこへなおれ! 手討ちにしてくれようぞ! いざ、参る! きえぇぇぇーっ!」 「なっ、七瀬どの……今度、拙者と……むぅ……いや、もっとこう、ふれんどりぃに……親近感のわくような……うむぅ・・・一一むっ!? しっ、師匠っ!? いいいいいいいいいいいかがなされた! 拙者に用であろうか!?」 「あ、もしもし? 皆守クン? 九チャン屋上で捕獲しといたよー。早く引き取りに来てねー。一一あはは! まーたまたァー、そぉーんな素直じゃない事、言っちゃって! 早く仲直りしなきゃダメだぞ? じゃ、まったねー!」 「一一タダじゃあげれませんよ、センパイ。そうっスねェ……ソコにひざまずいて『どうか譲って下さい、お願いします凍也さま』って言ってみな。一一ククッ、素直じゃないっスか。いいっスね……ゾクゾクしてきましたよ……」 「一一それは、あまりにも無謀というものさ。素直になる、甘える。このふたつは、一生かけてもできるかどうか分からない、ウルトラCの難題だ。考えてもみろ……『あの』甲太郎だぞ? ふぅ……どうしたものかな、あの無気力アロマ」 「……ここは寒いな。もっと俺にくっつけよ、九ちゃん・・・一一ん? お前のH・A・N・T、なにか言ってないか。一一ふぅん……心拍数上昇、体温上昇、自発呼吸に異常……だと、さ? 怪我でもしたか、九ちゃん。……舐めてやろうか?」 「一一その前に……阿門さま、ご報告があります。夷澤には、《生徒会》副会長は、あの『金魚』だと話しておきました。いまの所は疑いつつも、その『副会長』を世話しています・・・真実味を増すためにも、今後は我々であの金魚を『副会長』と呼ぶのはいかがかと……」 「オー、『テヤンデェ、オトトイ来ヤガレ、ベラボウメイ』デース! ハーイ、我ガ王、夕薙サン、無気力アロマサーン! ワラニモスガル思イデ、遊ビニ来タデース! ハハハ! 日本ハ、眼鏡ダンディズムネー! 鬼畜サドフクカイチョー、馬ニ蹴ラレテ飛ンデケー! コレ、ボクノ日本語ノ先生、神鳳サン、教エテクレタデース! トテモ、イイヒトネー!」 「一一だっ……だ・れ・が……『かわいいヤツ』っスかっ! つーか、俺に向かってカワイイとか抜かすなぁーっ!! あ……アンタ、目がおかしいんじゃないっスか!? 一体、俺のドコが・・・一一ち、違う! ミルクは『好きだから』飲んでるのであって、『そういう意味』で飲んでるワケじゃないからなっ!! ちょっ……なにがおかしいんスかぁっ!!」 「一一あなたに、本来の目的を思い出して頂こうと思ったんですよ。監視しているうちに、情でもうつってしまったのではないか一一そう、危惧しましまして……ね。杞憂である事を願いますよ・・・一一ねぇ、副会長さん? それと明日の放課後、生徒会室に集合です。ふふっ、確かにお伝えしましたからね。以前のように『メールを見なかった』なんて言い訳は使えませんよ。……あまり、あの方の優しさに甘えないで下さい。では、僕はコレで失礼します」 「あぁぁぁァーん、ダァリィーン。茂美、怖ぁーい。うふふっ、もっとそばに来て……手をつないで……むぎゅっ。あんっ、いやん! ダメ、ダーリン! こ、こんな所で……ああっ! イヤ、そんなトコ……茂美、感じちゃ一一ほぎょっ! ちょっと、アンタ! 毎度毎度、アタシたちの愛をジャマすんじゃないわよッ! さては……うふふっ。アタシたちの仲のよさに、嫉妬してるわねッ!? オーホホホホホホ! 皆守 甲太郎、敗れたりーッ! もぎょっ!! キイィィィィィ! なにか文句があるならクチで言いなさいよ、クチで! アタシのこの美しいカオに蹴りなんかいれて、キズでもついたらどうすんのよッ! あ、責任はとって頂かなくても結構よ。将来はダーリンのお嫁さんになるから。オーホッホッホッホッ!! あんっ、ふたりとも待ってーッ! アタシをおいてドコに行くのよーッ!?」 「一一ん、きたか? どれどれ……って・・・・・・おいっ……! こ……コレ、マジで俺が答えるのか!? チッ、あのアホ、なに考えてるんだ……もしもし、九ちゃん? お前、このメールなんだよ!? いや、確かにそう言ったけどな……お前、コレはいくらなんでも……ああ、まぁ……うーん・・・いま? 全部? あー・・・分かった、分かったよ。・・・えー、なになに……・・・マジかよ……俺にどうしろと……チッ、さっさと終わらせよう……。うーん……『舐める』。うわっ。えー、次は……ああ、八千穂にやらされた事あるな……『むすべる』。えー・・・ない、な……。『ない』。えー・・・一一ロコツすぎんだよ……『1、2時間』……左利きだから、まぁ『左手』……えーと……『たつ』。『消す』。『風呂で確認しろ』。うっ・・・・・・一一『腰』。…………。コレを送信……しろ、と……? はぁ……・・・・・・。フッ……いいぜ、九ちゃん……そっちが、その気なら……俺だって思いっきり答えられないような質問、送ってやる・・・!!」
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