会話 2





「未成年の方へ。ココから先は、118禁です」
「……生きてるウチに見れるのか?」
「この人のエロ腰は200禁に指定されています」
「ああ、眠い」
「こ、コラ! ツッコミを放棄しない!」
「ああ、悪かったな。ケツ出せ」

「よっ! アイツいる?」
「伝言があるよ。『いないと言ってくれ』だって」

「俺の目の黒いうちは、ココは通さん!」
「お前、碧眼だろ」

「一一いいのか? せっかくの申し出を」
「ああいうタイプは苦手なのよ」
「ふぅん……彼は苦手でも、私が手伝うのは平気、と」
「……どういう意味?」
「別にぃー?」

「な……なんでお前がここにいるっ!」
「アンタが寂しそうにしてたからでしょ。あ、紅茶もう一杯」

「いやらしくクチビルを舐めるな!」
「濡れてないと落ち着かないんだ」

「みんな大好き」
「ふぅん。みんな、ね」
「ああ。でも、お前は好きじゃない」
「……・・・」
「好きなんてレベルじゃない。愛してる」
「一一一一っ! おっ、おまっ、なにを……!」
「ごらん下さい、見事に真っ赤なこのカオ一一いって!」
「やかましいっ! 蹴るぞ!」
「蹴ってから言うな!」

「……俺が突然、いなくなったら……お前はどうする?」
「たられば話は、好きじゃない・・・」

「あああああ時間がない時間がない時間が時間が時間じかんじひゃぎょ!」
「パニくって舌かむヒマがあったら、手ぇ動かせ」

「もういい……諦めるよ……」
「ココまで来て、なに言ってるんだ!」
「お前に迷惑、かけたくないんだよ……」
「心配するな。すでに充分、迷惑だ!」
「ソコ。爽やかな笑顔が全力で失礼だぞ」

「気をつけろ。ヤツの攻撃は、こちらの生気を吸ってくる」
「ええっ!? そ、そんな18禁な攻撃を……!」
「その『せいき』じゃないっ!」

「こら、起きろ」
「ん……」
「起・き・ろ」
「起動中……」
「こーら」
「読み込み中……」
「ふとんひっぺがすぞ」
「検索中……」
「こら」
「検索の結果、『起きる』という項目は見つかりませんでした」
「まったく……今日に限って、なんでそんなに寝起きが悪いんだ?」
「だってぇー、昨日、君が寝かせてくれなかったから・・・いてっ」

「ま、お先に」
「いえいえ、ここは男性をたてて」
「紳士ならレディー・ファーストが基本」
「こういう時だけ紳士を気取るな! はうっ……!」
「ぎゃあぁぁぁぁぁーっ!?」
「なあぁぁぁぁあぁーっ!?」
「き……気のせいだった……」
「このお化け屋敷……普通に歩いても三十分はかかるってさ……」
「・・・俺ら、さっき後から来たグループに抜かされたよな……」
「……せめて、最後までは行こうや」
「その予定……予定は未定」
「でた、『予定は未定』」
「フ、まかせろ……ココもだいぶ慣れてきた」
「そ、そう……なら、まかせる……」
「ぎゃあぁぁぁぁぁーっ!?」
「なあぁぁぁぁあぁーっ!?」

「お前の好きなオトコのタイプは?」
「えーっと・・・きち一一」
「・・・へ?」
「一一っとした真面目な人、かな」
「……あの、いま『鬼畜』って言おうとしませんでした?」
「・・・・・・」
「視線をそらすな」
「ぱーどぅん?」
「いや、pardon じゃなくて」
「はーっ歯っ葉っ刃っ羽」
「笑ってごまかすな」

「うっ・・・」
「どうした」
「……気持ち悪い」
「フッ……お前は、ああいうのが怖いのか」
「バカ言え……見た目がイヤなだけだ」
「よく見れば、なかなか愛らしいとも思えるが。生前は」
「……人間じゃないものはイヤなんだ」
「私だって人間じゃないだろう」
「アンタは別格だ。不本意だが、その……色っぽいし……」
「なにをブツブツ言っている? 気をつけろ。あれはなかなか、俊敏だ」
「う、ぐっ……」
「そんない怖いなら、私の後ろに隠れてろよ」
「っ……ふざけるなっ!」
「震えてるクセに」
「バカにするのも大概にしろ!」
「無理するな。助け合うために、仲間がいるんだ」
「……っく・・・」
「話はあとだ。お前がでかい声で怒鳴るから、気付かれてしまった」
「お、俺のせいじゃないっ!」
「ほぉら、動いてる。フフ……来るぞ、来るぞ?」
「わ、分かってる……!」
「ククッ・・・怖がり」
「いっ……いちいちうるさいんだよ、お前は!」
「さがれ。殴っても蹴っても、コイツには効かない」
「わ……私も戦う!」
「愛しているから、引っ込んでてくれ」
「・・・・・・・・・は?」
「一一よっと。よし、全滅」
「ちょ……おい」
「ん?」
「なんだ、さっきのは」
「さて、行くぞ」
「待て、回答はどうした!?」
「なにしてる、おいてくぞ?」
「おい、逃げるな!」

「おいおい、俺がオンナに見えるか?」
「オンナになったコトならあるよね一一いてっ」

「腕……組んでいいですか?」
「うむ」
「って……なにしてるんですかっ!」
「ふむ? 腕を組んでいる」
「自分の両腕を組んでどうするんですかっ!」
「うむうっ……礼儀作法とは鷹揚にして、難しいものだな」

「アンタねぇ、私は女の子なのよ! 少しは優しさってモンを見せたらどうなの!」
「けっ、『オンナノコ』が聞いて呆れらぁ! てめぇみてぇな跳ねっ返りの、どぉーこぉーぐぁー、『オンナノコ』だぁ? あぁん!?」
「あぁら! アタマだけじゃなく、目も悪いのかしらぁ!? いっぺん眼科に行ったらどう!? この、タコすけ!」
「おーあーいーにーくぅー! 視力は両目とも2、0だ! ざまぁみろ、このすっとこどっこいの、おっぺけぺー!」
「あっそう! じゃあその素晴らしい視力で、よぉっく店内を見てきてごらんなさい! あれだけ大混雑してるのよ! せめて皿洗いぐらい手伝いなさいよ!」
「あぁーのぉーなぁー、なぁんでンなコトしなきゃいけねぇんだ! 俺は店員じゃねぇんだぞ、コラ!」
「金を払って食事をしてるワケじゃないんだから、客でもないわ! それに、ここは従業員専用の部屋なのよ! 手伝う気がないなら、出ていきなさいよ!」
「るっせぇな! 俺はダチんトコに遊びに来ただけだ! 店なんざ知るか!」
「その『ダチ』が、この店の店長なんでしょうが! 少しは手伝おうって気がないワケ!?」
「知るか、めんどくせぇ! 俺は『遊びに』来ただけだ! お前になんか用はねぇ!」
「一一お前ら、ホントに仲がいいな」
「あ、店長」
「よっ、生きてるかぁ?」
「戻れ。七番、シーフード、ウーロン、十番、いくら、ショコラ、ストレート、ニ番、カルボ。ケーキのみ食後、ピッチャーも補給」
「はい」
「一一さて?」
「んー?」
「彼女は行った。ホントはなんの用なんだ?」
「……悪ぃ、護送の途中で逃げられちまってな」
「おやおや。優秀なコトだ」
「るっせぇよ。皮肉ってるヒマ、ねぇんじゃねぇの? んで、写真だが一一」
「ふむ」
「一一こんなヤツだ。俺たちも全力で探し出すが、それまで充分に警戒して欲しい」
「イエス・サー」
「ンじゃ、あの跳ねっ返りにもヨロシクな」
「ああ。お前が求婚していたと伝えてやる」
「求婚? 球根の間違いじゃねぇの? ヒヤシンスとか」
「ヒヤシンスでもチューリップでもいい、さっさと行け。俺は忙しい」
「へーへー。じゃあな」
「全く、素直じゃないな」
「あん? なんか言ったか」
「べぇつにぃー?」

「ほら」
「へ?」
「誕生日だろう」
「お……覚えててくれたんだね……」
「忘れるとネチネチするだろうが。気のすむまで文句を言われた方がマシだ」
「あ、これ……欲しかったヤツ・・・」
「お前は顔に出やすいから、すぐ分かる」
「ううっ……ありがとう……」
「ああ」
「僕もう・・・一週間、服きれなくてもいいっ……!」
「……ソレは遠慮する」
「手錠でも目隠しでも、頑張るからねっ!」
「だから、遠慮する」
「君の好きにして……」
「……ならロープで縛って、押し入れの上段にでも入れておく」
「いやん、SMだなんて……でも・・・でも、君なら……」
「生きた18禁、とりあえず黙れ」

「……やわらかい」
「恐縮……です……」
「味は・・・」
「せ、せんせ……」
「……ふむ」
「・・・・・・っ一一」
「悪くない……」
「は……はい・・・」
「好きだ」
「っ……はい・・・」
「もっと食べたい……」
「いくらでも、食べて下さい……全部、先生のモノです……」
「一一いくら、でも?」
「は、はい……」
「それはありがたい……飢えていた」
「せんせ……」
「もっと欲しい」
「クチを、開けて下さい……」
「いや、自分で……」
「照れないで……誰も見てませんから」
「そういう問題では……」
「先生、ほら……クチを開けて」
「・・・・・・」
「一一おいしいですか?」
「……ああ」
「せんせー、照れてる。かわいい」
「……うるさい。夜に呼び出すぞ」
「呼び出して……どうするんですか?」
「さて、どうするか。書類の整理でもさせようか」
「いじわる……」
「いまごろ気付いたのか。遅いな」
「鬼畜教師め。はい、せんせ。食べて……」
「ああ・・・一一だから、自分で……」
「だめ。はい、あーんして」
「子供が大人を、子供扱いするな」
「もう大人です」
「なら、大人の部分を見せてもらおうか……」
「……どの部分が見たいんですか?」
「まず、正しいハシの持ち方から」
「食べ物が持てればいいんです」
「だめだ。大人はこう持つ」
「む、こうか」
「こうつかむ」
「こうか、こうか……あっ」
「ヘタだな」
「むうっ!」
「刺すな」
「食べれればいいんです」
「こうやって持つんだ。ほら、クチをあけろ」
「あー」
「声はいい。うまいか?」
「んぐっ……うまい」
「……私のと、どっちがうまい?」
「一一むぐっ……げほっ、ごほげほっ」
「茶だ」
「一一んぐっ……んっ……んっ・・・一一っぷはっ……げほっ」
「クチに食べ物が入っている時にしゃべるな」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
「なんだ」
「……あまりの理不尽さに、ぷるぷるしております」
「そうか」
「三文字で終了しない、そこっ!」
「そう、か」
「句読点をつけて四文字にしない!」
「そ、うか」
「句読点の位地を変えない!」
「やれやれ……贅沢だな」

「先生、クスリの調合ですか?」
「ああ」
「『愛の妙薬』ですか?」
「いまさら君に使う必要などないだろ?」
「を……ををっ!? 必殺、流し目! 10のダメージ!」
「小さいな」
「ちちはまだコレからでかくなります!」
「ちち言うな」
「胸派? おっぱい派? ソレともバスト派ですか?」
「くだらないコト言ってないで、ソレを取れ」
「どれですか?」
「タンナルビン」
「はい」
「なんだ、コレは」
「単なるビンです」
「違うっ!」
「じゃあ、コレですか?」
「……なんだね」
「単なる花瓶です」
「花を入れる以外、どんな用途があるっ!」
「重いのでダンベル代わりになります」
「いまの私は筋トレをしているように見えるのかね?」
「むしろエロトレな感じです」
「いい度胸だ。ソファに横になれ」
「きゃーきゃーきゃーっ!」
「遊んでないで動け」
「単なるピピンです」
「ホビット庄に返して来い!」
「単なるテレピンです」
「なぜ画材がココにある!」
「単なる安全ピンです」
「必要ない!」
「単なる電池です」
「単三か!」
「単なるキーホルダーです」
「値札を取りたまえ!」
「単なるハサミです」
「サビてるぞ!」
「もー、なんなんですかっ!」
「タンニン酸アルブミン! タンナルビンだ!」
「ソレならそうと初めから言って下さいよ。ふー、やれやれ」
「……とりあえず、服を脱ぎたまえ」

「じゃあ、いくよ……動かないでね……」
「あ、ああ・・・」
「……怖い?」
「……いいから、さっさとやれ・・・」
「ちょっぴり痛いカモよ……」
「ああ……」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「今日はいい天気だねぇ」
「……早くやれっつってンだろ」
「ほのぼのするねぇ」
「……俺は殺伐としている」
「おや、なにゆえ」
「お前が中途半端に止めてっからだ……」
「いやぁ、あまりにも君の怖がる顔がかわいくてねぇ」
「ヒトのカオ見ておもしろがってンじゃねぇ……」
「初めて飛行機にのった時も、そんな顔をしていたねぇ」
「してねぇっての……」
「ま、大丈夫。注射程度の痛みだろうからねぇ」
「注射よりは太いんだろ……?」
「さぁ、どうかねぇ。氷で冷やすと痛みがマヒするらしいねぇ」
「めんどうだから、さっさとやってくれ……」
「あさ起きると、まくらが血で濡れているらしいねぇ」
「軽いホラーだな……」
「消毒もきっちりやらないといねないねぇ」
「分あってるよ……」
「風呂に入る時は、せっけん水に気をつけて」
「ああ……」
「ずっと入れっぱなしにするんだよ? あなが塞がっちゃうからねぇ」
「いーからさっさとぶっ刺せ! 鬼畜メガネ!」
「いやぁ、おもしろいもんだから、つい」
「楽しんでンじゃねぇ!」
「むふふふふふふ」
「耳元でブキミな笑い方をするな」
「あはははははは」
「笑い方を変えりゃいいってモンじゃねぇ!」
「……な!? 鬼畜メガネだなんて、心外だねぇ」
「反応が遅い!」

「……やめるか?」
「い、いや……入れる・・・」
「別に、ンのままでもいいンじゃねぇの?」
「イヤだ。今日こそは……い、入れる……!」
「ふーん。……痛いかもよ?」
「い・・・痛いのかっ……!?」
「ソフトとハード、どっちがいい?」
「は……ハードなら、どうするんだ……?」
「取りやすいけど、ゴミが入ると痛ぇって聞いた」
「痛いのか……!」
「落ちやすいとも聞いた」
「落ちたらどうするんだ。『だるまさんがころんだ』をすればいいのか」
「素直に『動くな』と言え」
「ホールドアップ!」
「はいはい」
「流すな」
「ほら、こっち向け。入れてやる」
「ちょ、ちょっと待……心の準備が……」
「自分で入れるか?」
「う……ううううう・・・」
「やめるか?」
「い、入れる……」
「……そんなに怖いのか?」
「う、うるさい……!」
「なんだ? その偉そうな態度は。イヤならやめてもいいんだぞ?」
「うっ・・・」
「顔を上にあげろ」
「うー・・・うーうーうー」
「じっとしてろ・・・一一すこぉーし、痛ぇかもしんねぇぞ……?」
「うっ……!」
「こら、逃げンな」
「やっぱ、あ、明日にするっ……!」
「……昨日もおとといも、そう言ってないか?」
「明日こそは……!」
「だあら、イマのままでいいじゃねぇか」
「イヤだ! 君とおそろいにするんだ!」
「俺は入れてねぇ」
「明日こそはーっ!」
「はいはい」
「流すな」
「さーて、メシにすっか。……脱ぐな」
「えー、だってぇーん」
「……入れるぞ?」
「うっ……!」
「しばらくこの手は使えるな……」

「ん……・・・」
「せ、せんせ……先生!? ぐ、具合でも悪いんですか?」
「う……」
「あ、ああ……どどどどうしよう……救急車?」
「みず・・・」
「水! そう、水・・・一一みず?」
「みず・・・」
「あ、はい、ただいま……・・・こ、これで……いいですか?」
「・・・・・・」
「……先生?」
「・・・・・・」
「そんなエロくさい目で見つめてないで、カップを持って下さい……」
「持てない……」
「へ・・・?」
「くちで……」
「ふ、へ……」
「飲ませろ・・・」
「・・・一一っ!」
「みず・・・」
「は……はい・・・そんな色っぽい目で、誘わないで下さひ……」
「・・・ん……」
「……もっと、いりますか?」
「飲む……」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「お……おいしい……ですか?」
「・・・・・・」
「せ……先生?」
「……うん・・・」
「・・・一一っっっっ!!!!!!!!!!!?」
「う……」
「か……か……か・・・かわ……はぅっ……」
「熱い……」
「は……はひ・・・」
「ボタン、はずせ……」
「一一っ・・・!? は……はひ・・・ただひま……」
「……ん、ふ・・・」
「先生……完全に、酔ってますね……」
「ふ……あ、う……」
「せ、せんせ……お願いですから、壊滅的に色っぽい声をださないで……」
「ん……ふあ……」
「少しかすれてる声が、またもうエロいしもう……」
「熱い……」
「は……はい……では、ボタンを……」
「・・・・・・」
「あ、あの、とりあえず……ボタン三つ外しましたけど……」
「ふ……」
「せんせ……?」
「熱、い……」
「は……はい」
「・・・・・・」
「……全部、は、外しましたけど・・・ううっ……し、白い胸元がっ……」
「キス……」
「はい……・・・一一うえっ!?」
「しろ……」
「き、き、き、き、きすっ……」
「キス……」
「は、は、は、はひ……」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「せんせ……」
「・・・・・・」
「あの……」
「・・・一一う……?」
「一一・・・っ!? か、か、か……かわいい……あぅ……」
「んふ……う……」
「色っぽいわ、かわいいわ……なにもうこの生き物もう、あう……」
「ん、う……」
「な……なにかの媚薬でも飲まされたんじゃないんですか……せんせ……」
「・・・・・・」
「せ、せんせ……?」
「……飲まされたいのか……?」
「・・・一一っ! 前後不覚のクセにこの強気な態度もうああもうああ」
「熱い……」
「じ、じゃあ……冷たいタオルで、身体をふきましょうか……」
「・・・・・・ふ……」
「ど、どう……ですか……」
「ん……」
「せんせ……?」
「気持ち……いい……」
「……誰かこのエロい生命体をどうにかして……」
「ん……好き……だ・・・」
「へ・・・」
「愛して……いる……」
「ず……ずっと酔っていて下さい、先生っ・・・!」
「ん……う・・・?」
「はうぅっ……!」

「……今日もまた、流されてしまった……」
「フッ。お前は雰囲気に溺れやすいからな」
「くぅっ……どうやったら主導権がにぎれるのか・・・!」
「↑↓↑+B」
「必殺ワザ!?」

「ねぇねぇ、月食ってなに?」
「太陽光による地球の影が月面に投じ、月面が欠けて見える現象。面の一部が欠ける部分月食、全部が欠けて見える皆既月食とがある」
「ふぅん。つまり『太陽×月』?」
「いや、『地球×月』かも一一って、待てい」
「あるいは『影×月』とか。どっちにしろ、月受けだね」
「いやだから待てい、そこっ!」
「なに、リバ可? 月攻め?」
「だからそういう問題ではうあぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「なぁ……最初の人類って、誰なんだろうな……」
「なんだ、いきなり。文学的な」
「うどんが関東風から関西風に変わる、その境目ってドコなんだろうな……」
「いきなりシリアス度が下がったな」
「関ヶ原あたりだ」
「なぬっ!?」
「うどんの境目。俺が前に調べた結果はそうだった」
「調べたんかいっ!」
「そうしたらソコのおばちゃんに『前にも同じコトしてる人がいた』って言われた」
「ンなアホなコトしてるヤツが他にもいたんかいっ!」
「よもや先を越されていたとは……あの時の無念さ、いまでも忘れられん……くっ」
「低レベルな争いで心底ヘコむなっ!」
「ベビースターに熱湯かけて食ったヤツ、何人いるんだろうなぁ……」
「お前もなぁっ!」
「サカナを描かせると、なんでみんな『左向き』に描くんだろうなぁ……」
「もういいっつーの!」

「は……初エッチだとぅ!?」
「よく見ろ、初エチャだ」

「ほら、お前のカギ」
「ん」
「じゃ、行くか。番号いくつだ?」
「108」
「……ピッタリだな」
「なにが言いたい」

「ホント?」
「本当だ」
「ホントのホント?」
「本当の本当だ」
「ホントのホントのホント?」
「本当の本当の本当だ」
「ホントのホントの……いたっ」
「そろそろしつこいぞ。本当だ」

「突然ですが。ザ・クエスチョンターイム」
「ぬを!?」
「『内対角の和が180゜になる』のは、台形、等脚台形、平行四辺形、長方形、ひし形、正方形のうち、どれでっしょーう?」
「ぬをぉっ!? バカなあぁぁぁぁーっ!」
「アララギごっこはいいから」
「みぎゃあ」
「ヒモロギもいいから」
「久しぶりに最高の気分だ……」
「三沢もいいから」
「あの髪飾り、すごく高いんだから」
「ともえもいいから」
「助けに来ましたー」
「闇人もいいから」
「だいたいてめぇさっきからしゃべるせりふがひらがなばっかりじゃねぇか」
「エルクもいいから。長いから」
「酒の精霊っていると思わねぇか?」
「トッシュもいいから」
「カレーの精霊っていると思わねぇか?」
「対抗しなくていいから」
「アロマの精霊っていると思わねぇか?」
「アレンジしなくていいから」
「本当にしつこいオンナだな……」
「宮田もいいから」
「では早速、手術だ。ソコに横たわって」
「医者つながりしなくていいから」
「勝利、ソレは男の勲章。そう思わんか?」
「ルーファウスもいいから」
「ザンネン。ルーファス」
「くぅっ!? 私としたコトが、こんなひっかけに惑わされるとは……!」
「初歩だよ、ワトソンくん」
「恐れ入った……さすが、師匠と書いて『たくみ』と読む……!」
「うむ。精進せぇよ」
「御意ッ!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「なにやら忘れているような気も」
「気のせいだ」
「ふむ。まぁ、いいか」

「新年あけましておめでとうございます」
「はい、おめでとうございます」
「ココでひとつ、情報をお伝え致します」
「なんでしょう」
「『名前を呼んではいけないあの人』の誕生日です」
「……新年そうそう不吉な情報をありがとう」

「一一なんでだろう、お前と話してるとアタマが熱くなる」
「なんと、頭痛か! それとも風邪か!? 大変だ、クスリが必要か!?」
「いや、100パーセントお前のせいだ」
「医者か! 医師を呼ぶか!?」
「人の話を聞け」
「ああ、そうだ! 病院に連れて行こう! 大変だ、至急ヘリを呼ばねば!」
「お前がダマれば治る」
「…………! …………!! …………・・・一一!!」
「クチをふさぎながら暴れるな。ほこりがたつ」
「ぬぅ、困った!」
「俺の方が困ってる」
「黙っているとヘリが呼べない!」
「呼ばなくていい」
「ああ、なんと……! 心配をかけさせまいと、そんな平常心を装って……! なんといじらしい……!」
「一度『いじらしい』を辞書でひいてこい」
「待ってろ、すぐに名医に連絡して精密検査を一一」
「しなくていい」
「遠慮するな!」
「してない」
「俺とお前の仲じゃないか!」
「今日が初対面でなに抜かす」
「親友になるのに時間はいらない!」
「お前にしてはマトモなコトを言ったが、しかし一一」
「ああ、医者だ! 手術だ! しっかりしろ、大丈夫だ! キズは浅いぞ!」
「聞け、人の話を」


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