悪魔
 


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「オマエハ、我ガ、チカラヲ、貸スニ、値シナイ」

「アタマ撫でンな。羽にさわンな。しっぽつかむな。喰うぞ、コラ」

「オーライ、お前のモノになってやるよ。せいぜい大事にしてくんな」

「お前って結構、悪魔使い荒ぇのな。ちったぁ休ましてくんない? ホント」

「……なんだ、この買い物かごは。私はお前のパシリになるために契約したのではない!」

「……何でも一人でこなそうとするな。個人では手に余る事一一それを乗り越えるために、我がいる」

「すとーっぷ! 俺オトコと合体させられンのはヤだ。キレ−なねーちゃんの悪魔にチェンジプリーズ」

「皮肉な事だな、天使と呼ばれる悪魔など。私は堕天使……名は数世紀前に捨てた。貴様の好きに呼べ」

「汝は我を召還せし者か……我は炎を己が命に従わせ一一お前、もしかしてオトコか? なーんだ、つまんね。帰る」

「俺を殺るってかぁ!? お前が? ヒャッハァ! そーりゃおっかねぇなーあ? 早速オテナミ拝見かぁ? おぉ?」

「貴様と交渉する価値などない。一人では何もできん人間ごときが、我らの恩恵を得るなど。傲慢な考えだと思わないか?」

「離せ、離してくれ! 腹黒オーラあふれるソイツには関わるな! 本能がそう叫んでンだ! はなせはなせはなむぎゅっ」

「さっさと用件を言え。お前が召還なんかするから、わざわざ来てやったんだ。こっちは風呂はいってたっつーのに、迷惑な」

「いや、悪魔もね、けっこう苦労してるんですよ。勇者に追い掛けまわされたり、集団で殴られたりしてね。もうマイっちゃう」

「よーお、ジャックフロストじゃねぇか、久しぶりだな! あ、コイツ幼なじみでな。むかしよく一緒に、通りがかった人間を脅して遊んだモンだ。いやぁ、懐かしいなぁ、何年ぶりだよ。……で、俺なにしに呼ばれたんだ?」


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