「あーもう、ベロベロに酔っぱらって。ちゃんと歩かないなら、ここに置いていくよ?」
「……ここは? ずいぶん大きな家だけど、誰か住んでるんじゃないの?」
「いや、いまは完全な空家だよ。隠れ家にするにはもってこいだね」
「おう、宅急便が届いてンぞ、コラ」
「お菓子と悪戯グッズの山だね。手紙にはなんだって?」
「来週こっちに遊びにくるってよ」
「ちょっと、なに持ち歩いてるのさ!?」
「大丈夫、ただのモデルガンだよ」
「ねぇ、外がおもしろい事になってるよ?」
「んー?」
「君の『女グセの悪さ』が大々的にラクガキされてた」
「んー・・・一一んがぁっ!?」
「そっちは立ち入り禁止だよ」
「ダメだ、先回りされてる。こっちから行くしかない」
「何のさわぎだい!?」
「しんね、来たら二人がケンカしてた。いけ、やれ! そこだ!」
「バカ、見てないで止めなって!」
「もう三年になるでしょうか。私は自分の絵を売って小銭を稼ぎながら、諸国を旅している者です」
「しょうがないなぁ……じゃあ、少しだけ僕のお金を貸してあげるよ。利息は十日で一割ね」
「どうするの? この大量の落ち葉」
「おう、いいタイミングだな。今からイモを焼くところだ。小屋の前に集まれや」
「ちっ……アイツが見てるせいで石像に近付けないよ……」
「呪え呪え。丑の時参りだ、コラ」
「不能犯ってヤツだねぇ」
「呪いのワラ人形でも送りつけてやれ」
「ついでにハイレグパンツはかせて悩殺する?」
「勝負パンツはいたワラ人形ってかーなりイヤかも」
「ただのパンツじゃないぞ。セクシーなシースルー仕様だ」
「意味ねぇー、シースルーのパンツ。ケツ部分にバラもつけちまえ」
「午前二時にコサックダンスを踊らせよう」
「至上最悪のワラ人形だ」
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