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「もーいっこ、ちょーだい」

「……次はないと思え・・・」

「はーい、カメラ見てー。変なポーズしてー」

「私を『仲間』だと……言ってくれるの・・・?」

「外見は間違えるほどソックリなのに、中味はまるで別人ね」

「俺らは『おもしろい』コトにしか、キョーミないのー。なー?」

「ナマイキだけど可愛い、年下のカレシ。二年だけの契約、仮の恋人」

「んー、惜しい! ニアピン賞は、俺とのあつーいちゅう……むぎゅ」

「なるほど、ね……悪くない取り引きだ。まったく、憎たらしいほど話がうまいね」

「カガミのように壊れやすい、繊細な君。でも、私への態度は合わせ鏡。どこか、冷えた空気」

「ああ、コレは……前の恋人の食器さ……。ペアで買ったんだ……片方は、使ってもらえなくて寂しそうだ……」

「お前が飲んでたのは、こっちのカップだろ。ま、いいけど。コレでお前と間接ちゅーいてっ! 叩くな、コラ!」

「あ、あいつ……この前の……! 運転手さん、あの黒い車を追って! なるべく、尾行に気付かれないように……」

「ふたりだけの約束……決めましょう? あなたがこの黒の革手袋をしたら、その日の夜は、私を予約・・・どう?」

「その不敵な笑み……あのヒトそっくり・・・あら、どうしたの……? もしかして、妬いてくれたのかしら……?」

「じゃあ、昨日言ったとおり、今日は数学をやろう。解けるようになるとおもしろいよ、パズルみたいで。大丈夫、必ず理解できるようにさせるから」

「誰もいませんよ……呼び出したのは、僕……。こうでもしないと、先生は僕と、会ってくれませんから……。久しぶりですね……あの日の、夜から・・・」

「あの時、もし逆の道を選んでいたら……君と出会う事も、こうして抱き締める事もなかっただろう。いまなら素直に感謝できるよ。運命のエンジェルとやらに」

「お菓子業者の戦略だとは分かってるけど、毎年作っちゃうのよね。はい、コレはあなたのチョコ。ぎっ……義理よ! ギ・リ! なにニヤけてんのよ! この、タコすけ!」

「なら、あっちだね。ほら、花が私たちの方に見える状態で、咲いてるだろう。ヒマワリはツボミの時、太陽のある方角に向きを変えるけど、花が咲くと、東に向いた状態で固定する。だから、その後ろが西になる」

「こ、こんな豪華な船のパーティーに招待して頂いて……パートナーは私なんかでよかったのでしょうか・・・? 二階からの海のながめは、本当にステキ……まるで夢の中にいるよう……。いま私、とても幸せです・・・」

「見ろ・・・お前を暗闇の中につなぎ止める、見えぬクサリ……ソレを断ち切りに来たヘビが……ココを探して、さまよっている……。鳥であるお前からは、風切羽を切ってやったが……ヤツからは、毒を抜いてやろうか・・・一一」

「この空間に存在するのも疲れるから、しばらく君の中に入らせてもらうよ……おや、そういえば言ってなかったっけ……残念ながら……僕は普通の人間とは呼べない一一言わば、異質なモノさ。そうだなぁ・・・エクトプラズムが一番、近いかもしれないね……」

「どう? 君にとっても、もちろん私にとっても、メリットがある。トクはさせても、ソンにはならない。むかし、ある人がこう言った。『天才は、ソレがチャンスだと瞬時に判断できる』と。そして、コレを逃すと、次はそうそう来ないと言うコトを知っている。一一さぁ、どうする……共犯者になるかい?」

(お題リンク・二周年企画)

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