「酒に酔って……『なに』をしたんだろう?」
「うーむ。このご時世に行き倒れとは、面妖な」
「次にカタナのサビになりてぇヤツは……だれだい」
「おう、おめぇら。カタギの衆に手ぇ出すんじゃねぇよ」
「とりあえず、ハイヒールで殴るんだけは、カンベンな」
「てめぇのなまくら刀じゃ、俺の着流しひとつ、きれねぇぜ?」
「なぁにビビってんだ? この俺がついてやってるってェのに」
「今夜は酒盛りだ。どうだい、豪勢だろ? お前も朝まで付き合え」
「俺に命令できんのは、俺だけだ。てめぇなんかの指図は受けねぇよ」
「……おっさん。アンタのその『右耳ピアス』は、やべぇんじゃねぇの?」
「やっぱりさ。ぜってぇいると思うのよ、俺は。『酒の精霊』。お前もそう思わねぇかい?」
「昨日どこに行ってたかだと? ヤボなこたぁ言いっこナシだぜ。『秘密』が漢を育てんのよ」
「……雨んナカ突っ立ったまま、ずっとああしてメイソウしてるんだよ……『これも修行だ』とか言ってさ」
「ちょこなのー! ちょこ、強んだからー! たたっ斬って、ねじりきって、すりつぶしちゃうんだからー!」
「ふっ、よせやい。俺にホレると、ヤケドするぜ? ……おい。何だみんな。なんで音をたてて引いていくんだ」
「けっ、そういうセリフはなぁ、『かんじ』もまぜてつかってみろってーんだ! バーカバーカ! デフォルトひらがなヤロウが!」
「さぁ、お立ち会い。アレが世にも珍しい、『押し花』がシュミの、高所恐怖症なヤクザでござあい……いででで! 何しやがる、おっさん!」
「最近のギルドにゃ変わったヤツが多いなぁ。お、アソコでこそこそしてるでかいヤツなんか、トッシュそっくり……あ!? まさか、本人!?」
「おもしれぇ。お前、この俺と『酒』で勝負しようってのかい。上等じゃねぇか。さぁーて、こっからが重要だ……俺が勝ったら、お前一一何をだす?」
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