「すんげぇ雨。ほら、空が号泣」
「まったく、天の邪鬼なんだから」
「お前みてぇに、自由気ままに生きてみてぇ」
「俺にとってのお前は、くもの上の存在なんだ」
「あまりフラフラするな……つねに私だけを見ていろ」
「ほーれ来た! カミナリが落ちねぇウチにずらかンぞ!」
「おい、ソコの『ムンクの叫び』。おもしれぇ顔して固まってンじゃねぇ。邪魔だ、のけ」
「ゆっくり、行こう? 君の歩幅に合わせるから……ゆっくり、ゆっくり……手を繋いで……ね?」
「お前を、この腕に抱きとめる事ができたなら……そう思い腕をあげても、この指は虚しく、くうをきるばかり」
「動こうとしないんだよ……ずっとあのままムッツリさ。さぁ、困ったね。このまま彼をおいて帰るワケにはいかないし……」
「ころころ表情変えんのな。見てて飽きねぇ。部屋ん中、放し飼いにしてぇ感じ。しかもお前、なんかうまそう。食っていい?」
「さーて、どうしようかな……このまま尾行に気付かないフリをしてあげるか、さもなくばこっそり背後にまわって、こちらから声をかける……か」
「だー、さみぃさみぃさみぃさみぃ! うるさいってあんだよ、さみぃんだぁらしゃぁねぇだろ! んじゃ『暑い』の反対、『暑い』の反対、『暑い』のいてっ、叩くな、コラ!」
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